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コラム

庭先部分だけの相続で小規模宅地の特例は使えるか?

相続対策・生前贈与

自宅や貸付地などの土地を相続した場合、現金と同様の評価を行ってしまうと高額な税負担により、土地を売らなければ納税をすることができなくなってしまうなどの事態を回避するため土地にかかる税金を大幅に減らすことができる制度があります。これを「小規模宅地の特例といいます」。

自宅の相続で母屋の部分と庭の部分を別々で相続した場合、居住用の小規模宅地の特例は使えるのでしょうか?

 

庭先の相続は小規模宅地の特例を使えるか? 

設例

被相続人甲が居住の用に供していた家屋(被相続人甲所有)の敷地は、上図のようにX部分の土地とY部分の土地の二筆から構成されています。

相続人A(甲の子)と相続人B(甲の養子であり、Aの子)とでこれらの土地をそれぞれ相続により取得することとしました。

被相続人甲とともに当該家屋に居住していた相続人Aが、X部分の土地を相続により取得し、申告期限まで引き続きX部分の土地を有し、かつ当該家屋に居住することとした場合、相続人Aが当該相続により取得したX部分の土地について、特定居住用宅地等に該当するとして、小規模宅地等のの計算の特例の適用を受けることができますか?

この家屋はY部分の土地とともに相続人Bが相続により取得しますが、家屋には、今後も継続して相続人Aが居住する予定です。

疑問点、論点について

・X部分は庭先であるため、小規模宅地の特例の要件である「居住の用に供されていた」を満たすのだろうか?

・マイホームを売った場合の3000万円控除の特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)では、庭先の譲渡は適用対象外となっているため、小規模宅地の特例も同じ考えになるのではないか?

結論 

小規模宅地の条件を満たしていることが前提として

庭先であっても生活基盤の維持に欠くことができない居住用の一体性があると考えられることから

小規模宅地の特例の適用を受けることができる。

解説

被相続人の居住の用に供されていた宅地等で一定のものについては、本件特例の対象となる宅地等となるところ、この「被相続人の居住の用に供されていた宅地等」とは、相続開始の直前において、被相続人等の居住の用に供されていた家屋で被相続人が所有していたものの敷地の用に供されていた宅地等をいうこととされています。

そして、被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族が、その被相続人の居住の用に供されていた宅地等を相続により取得し、相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地等を有し、かつ、その建物に居住している場合には、その相続により取得した被相続人の居住の用に供されていた宅地等については、「特定居住用宅地等」に該当し、本件特例の適用を受けることができることとされています。

ところで、本件特例の趣旨は、「被相続人等の居住の用に供されていた小規模な宅地等については、一般に、それが相続人等の生活基盤の維持のために欠くことのできないものであって、相続人において居住の用を廃してこれを処分することについて相当の制約を受けるのが通常であることから、相続税の課税価格に算入すべき価額を計算する上において、政策的な観点から一定の減額をすることとした」(東京地裁平成23年8月26日判決等)ことにあると解されています。

今回の設例では、被相続人甲と同居していた相続人Aが相続により取得するX部分の土地は、相続開始の直前において、被相続人甲の居住の用に供されていた家屋で、被相続人甲が所有していたものの敷地ですが、X部分の土地の上に当該家屋が存しないため、居住の用を廃することなく、X部分の土地のみを処分することが可能であることからすると、上記の本件特例の趣旨に照らし、本件特例の適用は認められないのではないかとの疑問が生じるところです。

しかし、相続人Aが相続により取得するX部分の土地と相続人Bが相続により取得するY部分の土地は、一体として「相続の開始直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で被相続人が所有していたものの敷地の用に供されていた宅地」であることからすると、居住の用を廃する必要があるかどうかにかかわらず、X部分の土地は、「相続の開始直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で被相続人が所有していたものの敷地の用に供されていた宅地」に該当すると考えます。

また、相続人Aは、被相続人甲の親族であり、「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた者」に該当します。

したがって、相続人AがX部分の土地を相続により取得し、申告期限まで引き続きX部分の土地を有し、かつ、家屋に居住している場合には、X部分の土地は、「特定居住用宅地等」として、本件特例の対象になると考えられます。

まとめ

・3000万円控除とは違い小規模宅地の特例は庭先譲渡でも対象になる。

・本事例のように、Aが庭先、孫(養子)であるBが母屋を相続することで、将来的に庭先に居住用や賃貸建物を建てることで二次相続の対策になる。

・土地の分筆により将来的に旗竿地評価となれば評価が下がるが、分譲を視野にいれた分け方を検討する必要がある。

・税理士、不動産鑑定士、不動産業者などの連携により有効な効果が発揮されるので色々な意見を確認した方がよい。

 

 

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