コラム
間口が狭い宅地の評価方法について
うなぎの寝床と言われるような道路に接している間口が狭い土地の場合には細長い間取りの建物しか建てられないなどで使い勝手の悪いものがあります。
実際に、建物を建築する際に足場が組みづらい、大型車が入らないなどがあり建築コストが上がりますし、良い間取りの設計もしずらいです。そのため、土地の評価を行う際には正方形の間取りと比較して評価を減額補正をすることが出来ます。
今回はこのような間口が狭い土地の評価方法を説明します。
川口市の場合、川口駅東口の商店街付近に該当するようなところがあります。
計算方法
次の順序で評価を進めます
算式
手順は次の通りです
- 正面路線価を見つける
- 奥行価格補正率を掛ける
- 間口狭小補正率を掛ける
- 奥行長大補正率を掛ける
それぞれ解説をすすめます
① 正面路線価を見つける
まず、前提として間口に接する面の路線価価格を確認します。
相続税の土地の評価は路線価×㎡ で計算をします。
今回取り上げる間口が狭く奥行が長い、崖地に存在するなどの使い勝手が悪い要素がない場合には正面の路線価×㎡でその宅地の評価を行います。
路線価は国税庁のHPで公表されております。
(路線価の調べ方、見方を確認したい方はこちらコラムを参照ください。「路線価の調べ方、見方、計算方法について」)
事例だと
正面路線価が165千円ということがわかりました。
② 奥行価格補正率を掛ける
事例だと
奥行距離は40mでしたので、こちらに対応する普通住宅地区における奥行価格補正率は0.91となることがわかりました。
③ 間口狭小補正率を掛ける
事例だと
間口距離 5mに対応する普通住宅地区における奥行価格補正率は0.94となることがわかりました。
④ 奥行長大補正率を掛ける
事例だと
奥行距離が40m、間口距離が5mです。
したがって、「8」の場合の普通住宅地区の補正率は0.9となることがわかりました。
評価額の計算方法
以上により各補正率を路線価に乗じて計算をすすめます。
まとめ
このように、間口が小さく奥行が長い宅地については、3つの補正(奥行価格補正率、間口狭小補正率、奥行長大補正率)を行うことで評価が下がります。
本事例では、正面路線価に対する単純評価の場合には3,300万円であるので、23%程度の減少率で金額で言うと800万円程度の評価減です。
決して小さい金額ではありませんので相続税や贈与税の土地の評価に悩まれたら一度専門家に相談することをおすすめします。