コラム
【会社設立】社会保険の加入手続きについて
社会保険とは?
社会保険とは、人々が病気やけが、出産、死亡、老齢、障害、失業など生活に困難をもたらすいろいろな事故に遭遇した場合に一定の給付を行い、人々の生活の安定を社会全体でサポートすることを目的とした、強制加入の保険制度です。
社会保険は、医療保険・年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険の5つの保険制度で成り立っています。
1.医療保険
医療保険とは、病院にかかったときの治療費の一部をカバーしてくれる保険です。
<加入要件>:以下のすべてを満たしている場合 ⇒加入義務あり
・週の所定労働時間が20時間以上
・勤務期間が1年以上を見込まれる
・月額賃金が88,000円以上
・学生以外
・従業員501人以上の企業に勤めている
2.厚生年金
厚生年金とは、基礎年金としての国民年金とこれに上乗せして受け取れる保険です。
<加入要件>:①又は②のすべてを満たしている場合 ⇒加入義務あり
①1週間の所定労働時間、1カ月の所定労働日数が、一般社員の4分の3以上であること
②以下5つの条件をすべて満たす労働者
・週20時間以上勤務
・年収106万以上(賃金月額が月8.8万円以上)
・1年以上の使用が見込まれる
・従業員501人以上の勤務先で働いている
・学生でないこと
3.介護保険
介護保険とは、介護が必要となった場合に、介護にかかる費用に備えられる保険です。
<加入要件>
・40歳以上の人が加入対象となります。
4.労災保険
労災保険とは、従業員が業務中や通勤中に事故や災害に遭って負傷や病気、または死亡などした場合に保障してくれる保険です。
<加入要件>
・雇用形態にかかわらず、労働者を一人でも雇用している事業所は加入が必須です。
また、個人事業主の場合でも5名以上の従業員を雇っている場合は加入対象となります。
5.雇用保険
雇用保険とは、従業員が失業した場合に、一定期間給付金が支給される保険です。
<加入要件>①又は②のすべてを満たしている場合 ⇒加入義務あり
①1週間の所定労働時間が20時間以上
②以下5つの条件をすべて満たす労働者
・31日以上の雇用見込みがあること。
・期間の定めがなく雇用される場合
・雇用期間が31日以上である場合
・雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合
社会保険への加入は義務!
法人成り後、社員が1人でもいる会社は、すべて「社会保険の強制適用事業所」となります。
この場合の「社員」というのは、社長も含めた人数なので、つまり法人成り後は社会保険に必ず加入しなければなりません。
なお、法人化していない個人事業主でも、常時5名以上従業員がいる場合は、社会保険に加入しなければならないケースがあります。
厳密には、社会保険の加入対象となる社員は、社会保険の種類と勤務時間、勤務日数、雇用期間、従業員数などにより、加入対象か否か変わります。
法人成り後、速やかに、加入手続きを行いましょう。
社会保険への加入義務の例外
従業員がいない1人社長だとしても、基本的には社会保険への加入が義務付けられているわけですが、場合によっては例外もあります。
・社長の給与がゼロの場合
法人成り直後において従業員がおらず、社長が一人のみという理由で役員報酬がゼロであるケースも多々あります。
その場合においては、社会保険に加入しなくても問題はありません。
また、役員報酬がある場合でも、それが僅少で、毎月支払うべき社会保険料を下回っている場合には給与からの天引きができないため、年金事務所から加入を断られることもあります。
そうすると、社長は国民年金保険と国民年金への加入が義務付けられるため、社会保険への加入義務はなくなります。
・パートやアルバイトの場合
法人成りを行うと、全ての従業員と役員を社会保険へ加入させなければいけませんが、パートやアルバイトの場合は例外があります。
以下のすべてに該当する場合には、社会保険への加入義務が生じます。逆に該当しなければ、社会保険への加入義務はありません。
・「年収約106万円以上」
・「週20時間以上の労働」
・「勤務期間1年以上」
・「学生でない人」
・「従業員501人以上」