コラム
【会社設立】法人成りのメリット(社会的信用面)5選
1.「登記」による信頼
商売は信用があって初めて成り立ちます。取引先からも信頼を得ることができなければ、事業を拡大していくことは難しいでしょう。
一般的に、個人事業主よりも法人の方が社会的な信頼が厚いといわれます。その理由の1つに「登記」の有無があります。法人を設立する際に登記を行いますが、「登記情報提供サービス」にアクセスすれば、だれでも、その法人は誰が責任者で、どんな商売をしているのか確認できるので信頼されるといえます。
そのため、今後、事業を拡大して大企業との取引を増やしていきたい場合には、個人事業主よりも法人成りした方がよいでしょう。
2. 個人資産が差し押さえられにくい
個人事業主の場合、多額の仕入費用や借入れの返済など、さまざまな支払いが生じます。
商売の資金繰りが悪くなると、これらの一部が滞り、やがては多額の負債を背負うことも少なくありません。
一方、法人成りによって会社を設立した場合には、仕入費用や借入の返済は、法人が支払うものであって、役員個人にはその責任は及びません。
株主も同様に出資額の範囲内で責任を負うのみで、個人に返済義務は生じません。つまり法人を作ったほうが責任は軽くなるのです。
ただし、不動産の賃借契約や借入の返済に関して、「連帯保証」を付けている場合はこの限りではありません。
3. 資金調達がラクになる
個人事業主の場合、青色申告の65万控除を受けない限り貸借対照表の添付は免除されています。
しかし、金融機関から借入れを行う場合に、「この会社は今年いくら儲かっているのか?」よりも「この会社は、あとどれだけの余力が残っているのか?」を注意深く観察されます。
そのための指標の1つが貸借対照表です。個人事業主では貸借対照表を作成しているところは多くないため、貸借対照表を作成している法人の方が、借入れにおいて有利になることが多いです。また、中小企業への融資の際には、信用保証協会を通すことで銀行からの借入れをするケースが多いので、個人事業主よりも法人の方が融資を受けやすいといえます。
4. 助成金の受給幅が広がる
助成金とは、雇用の創出や研究開発などのための、国や地方公共団体がタダでくれる返済不要のお金です。
基本的に、助成金は個人事業主でも法人でも利用できますが、種類によっては社会保険に加入していないと利用できない助成金もあります。
個人事業主の社会保険は、従業員5名未満のところは任意加入で強制ではありません。一方、法人成りすると社会保険への加入が強制となりますが、その分、利用できる助成金の幅も広がります。
5. 優秀な人材が集まりやすい
昨今では、安心や安定を求めて、個人事業主の下で働くよりも、会社の正社員として働きたいと思っている人が多くなっています。
社会保険を条件に求職をしている人も少なくなく、個人事業主では、社会保険の加入が任意のため、応募を敬遠されることが多いです。
また、大企業からの転職者の場合、会社の福利厚生や有休休暇、残業手当等の中小企業では当たり前ではない環境に慣れてきた人が多いです。
個人事業主では、それに対応するこができない一方、会社形態であれば、社会保険は完備されているし、労働基準法に準じていると考えられるため、個人事業主よりも優秀な人材が集まる可能性が少し高まります。