コラム
【会社設立】株式会社の設立手続き
会社とは
会社とは、営利を目的とする社団法人で、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の総称。
一般的にイメージされる会社は、株式会社を想像する方が多いのではないでしょうか?
株式会社が大半
令和元年度の国税庁会社標本調査によると、日本国内には約275万社が存在しており、会社全体の92.8%は株式会社の形態をとっています。合名会社・合資会社・合同会社はわずか数%程度であるのが現状です。※有限会社は2006年会社法施行以降、新設不可。
株式会社を設立するには
全体の流れ(※発起設立を前提)
1. 発起人の決定
2. 定款の作成と認証
3. 法人印の作成
4. 出資金の払い込み
5. 設立登記の申請
6. 登記完了(会社設立)
1. 発起人の決定
まず、誰が会社の設立手続きを進めるのかを決めます。発起人は1人でもよく、未成年や法人でも発起人になることができます。
発起人が決まったら、どのような会社にするのか、発起人同士で話し合う発起人会を開催し「発起人会議事録」を作成します。
(発起人が1人の場合は、発起人会議事録の代わりに「発起人決定書」を作成します。)
発起人会で決める事項は、①会社の商号②会社の目的、③発起人総代、④各発起人の引受株式数、⑤払込金融機関です。
2. 定款の作成と認証
2-1.定款の作成
「定款」とは、会社の基本的な事項を定めたもので、会社の最高規範(憲法)といえるものです。定款に定めた事柄は、会社の決まりごととして法的な効力を持ちます。自ら会社のルールを定め、これを守って自主的に運営することを定款自治といい、定款自治の範囲で、適切に活動することが必要です。
定款の記載内容は、以下の3つに大別されています。
絶対的記載事項(記載がないと定款が無効) | 相対的記載事項(記載がないと下記事項の効力なし) | 任意的記載事項(書くことで下記事項の効力が発生) |
・会社の商号 ・会社の目的 ・本店の所在地 ・設立時の出資額 ・発起人の氏名及び住所 ・発行可能株式総数 |
・株式の譲渡制限 ・公示の方法 ・株券の発行 ・株主総会、取締役以外の機関具備 ・財産引受け など |
・事業年度 ・株券の不発行 ・取締役、監査役の人数 ・株式事務手続き ・株式名簿の基準日 ・定時株主総会の招集時期 など |
2-2.定款の認証
定款の作成後、「公証人役場」で定款の認証を受けます。
公証人役場は、設立する会社の本店所在地所轄の公証人役場になります。
提出書類は、以下の通りです。
発起人が提出する場合 | 代理人が提出する場合 | |
持参するもの |
・定款 3通 ・発起人全員の印鑑証明書 必要数 ・収入印紙 4万円分 ・公証人の認証手数料 約5万円 |
・左記事項 + ・委任状 ・代理人の印鑑証明 ・代理人の実印 |
3. 法人印の作成
会社を設立する際、会社の印鑑である法人印が必要です。
法人印の種類 | 重要度 | 用途 | 大きさ |
代表者印 | ◎ |
登記所への印鑑登録、会社の実印、その他重要度の高い書類 |
直径16.5mm程度の丸型が多い |
銀行印 | ◎ | 銀行口座の開設、小切手や手形の振り出し | 直径15~16mm程度の丸型が多い |
社印 | 〇 | 請求書、領収書、納品書 | 四角形で1辺が24mm程度が多い |
ゴム印 | 〇 |
さまざまな書類 |
縦印と横印の2タイプあると便利 |
4. 資本金(=出資金)の払い込み
定款の認証後、発起人は最低1株以上の引き受けを行う必要があるため、資本金(=出資金)を払い込む必要があります。
払込みは「発起人の個人口座」に入金します。(※発起人が複数であれば、発起人の中の1人の個人口座に入金します。)
これは、登記前の段階では、会社の口座を作成することができないためです。入金の際は、名前と出資額が通帳に印字されるよう、
正しく入金することが必要です。払込みは原則、現金による出資ですが、不動産や事務機器などの現物による出資も認められています。
5. 設立登記の申請
出資金の払込後、いよいよ会社設立の最終手続きです。
手続きの流れ:印鑑証明書の入手→登記申請書や就任申請書等を自分で作成する→法務局(登記所)で必要書類を提出する→登記官の審査
主な提出書類(現金による出資の場合) |
・株式会社設立登記申請書 1通 ・OCR用紙 1通 ・定款(謄本)1通 ・出資金の払込を証する書面 1通 ・資本金の額の計上に関する証明書 1通 ・取締役、代表取締役、その他役員の承認承諾書 人数分 ・取締役の印鑑証明書 人数分 ・会社を代表する取締役(代表取締役)の印鑑届書 1通 ・登録免許税納付用台紙 1枚 |
6. 登記完了(会社設立)
登記官の審査が通ると、設立登記の完了です。設立登記が完了して初めて会社は誕生し、世間から周知されるようになります。
今後、本格的な営業活動を始めるためにも、引き続き税務署や官公署への届出、金融機関での会社口座の開設などを行いましょう。