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親の土地の相続税はいくらかかる?計算方法や抑えるべき注意点まで解説

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「土地の相続には相続税はかかる?」

「相続税の計算方法は?」

「相続の専門家への相談方法が知りたい」

上記の疑問を抱えている方は、親の土地を相続する際に相続税がどれくらいかかるかわからず、不安に思っているのではないしょうか。

しかし、相続税の具体的な計算方法や土地の相続を誰に相談すれば良いか検討がつかず、相続税対策が進まないのはよくあるケースです。

土地の相続には相続税がかかり、状況に応じた計算が必要となるため、複雑になる前に専門家へ相談するのがおすすめです。

本記事では、「親の土地の相続税について、計算方法や抑えるべき注意点」を紹介します。手続きの流れや活用できる控除・特例まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

親の土地を相続するときは相続税がかかる?

親の土地を相続すると、原則として相続税がかかります。

相続税は、親の土地の評価額に応じて決まりますが、相続税の基礎控除を超える場合は対象となります。

相続税の基礎控除額は、「3,000万円+法定相続人1人あたり600万円」です。

もし基礎控除額を超える場合は、超過部分に対して税金がかかります。

また、土地の評価方法や権利確定の種類によって、相続税の負担を軽減できるケースもあるため、適切に準備を進めましょう。

親の土地の相続税評価額の計算方法

土地の相続税評価額は、基本的に「路線価方式」か「倍率方式」をもとに計算が可能です。

  • 路線価方式
  • 倍率方式

親の土地の相続税評価額は、土地の種類や利用状況によって計算方法が異なります。

路線価方式は、主要な道路に面した土地の価格を国税庁が毎年決定し、これに基づく計算方法で土地の評価額が決まる方式です。

倍率方式は、路線価方式が設定されていない地域に適用され、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価されます。

土地の種類や地域に合った方法を使い、正確に評価額を算出するのが重要です。

相続税の土地評価の具体的な計算方法については、下記の記事で解説しています。

詳細は「相続税の土地評価は自分でできる!具体的な手順と減税・節税の方法を解説」をご覧ください。

相続税の計算方法

相続税の計算方法は、基本的に相続財産の評価額から権利を認めた金額に賭けることで求められます。

不動産を相続した際は、以下の5ステップで算出可能です。

  1. 課税価格を計算する = 相続財産額 – 非金銭財産 – 埋葬式費用 + 一定の贈与財産
  2. 基礎控除額を算出する = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
  3. 相続税総額を算出する = 課税価格 × 税率 – 控除額 = 法定相続分の相続税の金額
  4. 各人の税額を計算する = 相続税の総額 × (各人の実際の財産額 ÷ 金銭価格の合計額)
  5. 各人の納付税額を計算する = 各人の相続税額 – 適用される税額免除の合計額

相続税総額を算出する際は、遺産総額を決定する相続分に応じて分割します。

  • 配偶者:1/2
  • 子ども(1人あたり):1/4

次に「相続税の速算表」を用いて控除を適用し、免除額を差し引きます。

課税価格 税率 控除額
1000万円以下 10%
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超~ 55% 7200万円

さらに「配偶者」と「18歳未満の未成年者」は相続税控除が適用されるため、計算時は注意しましょう。

実際の相続税の計算は複雑なため、専門家に相談するのがおすすめです。

また、不動産・土地の相続税計算方法については、下記の記事で解説しています。

詳細は「不動産・土地の相続税計算を解説|評価額の調べ方と節税対策も紹介」をご覧ください。

親の土地を相続する際の手続きの流れ

親の土地を相続する際の手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 相続の開始と相続人の特定
  2. 相続財産の調査と評価
  3. 相続税の申告
  4. 遺産分割協議
  5. 不動産の名義変更手続き

それぞれ解説します。

1. 相続の開始と相続人の特定

相続が始まったら、被相続人の遺言書を確認します。

遺言書がある場合、その内容にしたがって相続人を特定しましょう。

もし遺言書がない場合は、法律に基づいて相続人の確認が必要です。

配偶者や子どもが相続人となるのが一般的です。

2.相続財産の調査と評価

次に、相続する土地や財産の調査と評価をおこないます。

土地の評価額を算出するには、路線価や固定資産税評価額を参考にしましょう。

たとえば、公表されている地域の路線価をもとに計算が可能です。

加えて、どの財産が相続の対象になるか明確にしましょう。

3.相続税の申告

相続した財産の評価が完了後、相続税の申告が必要です。

相続税は、相続した土地や財産の評価額に基づいて計算されます。

税務署への申告は、相続開始から10カ月以内におこなう必要があります。

税金の計算は、専門家に相談するのがおすすめです。

4. 遺産分割協議

相続人全員で遺産分割協議をおこない、相続財産の分配方法を決定します。

相続人全員の合意が得られた場合は、内容を文書にまとめます。

ただし、遺産分割協議による話がまとまらない場合、手続きが進まないため注意しましょう。

協議の内容は、今後のトラブルを避けるためにもよく話し合いましょう。

5.不動産の名義変更手続き

続いて、不動産の名義変更を、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)でおこないます。

必要書類には、相続人の戸籍謄本や住民票、遺言書(存在する場合)などが含まれるため、事前に準備しておきましょう。

名義変更が完了すると、土地が正式に相続人の名義になるため、今後の管理や売却がスムーズです。

土地の相続で活用できる控除・特例

土地の相続で活用できる控除・特例は、以下のとおりです。

  • 小規模宅地等の特例を利用する
  • 遺産の相続と支払い猶予
  • 生前贈与と配偶者権利を活用する

ひとつずつ解説します。

小規模宅地等の特例を利用する

小規模宅地等の特例は、土地の相続税負担を軽減できる制度です。

特例は、相続した宅地の種類、目的により、評価額を最大80%減額が可能となります。

特例の適用には、相続税申告書とともに必要書類を提出する手続きが必要です。

ただし、相続人が特例を受ける土地に住み続けるなど、一定の条件を満たす必要があります。

特例を利用すると、土地の評価額が大幅に減り、相続税の負担軽減や相続後の生活安定にもつながります。

遺産の相続と支払い猶予

納税猶予制度とは、相続した農業や山林、医療法人の持分などの遺産を継続して利用する場合に、相続税の支払いを先送りできる特例です。

また、非上場株式を相続した場合は、中小企業の事業承継を円滑にするため、一定期間、相続税の納税を猶予し、後継者が死亡した場合などより免除されます(法人版事業承継税制)。

相続税の納税猶予制度で、納税が猶予される税額を求める計算式は、以下のとおりです。

通常の相続税評価額で計算した相続税額 ‐ 事業の投資価格で計算した相続税額

事業を継続する意思のある相続人にとって、経済的な負担軽減につながります。

ただし、制度の適用は遺産全体が対象となるため、相続した遺産の一部のみを選択できません。

加えて、相続税の申告期限までに、定期的に税務署に継続届出書を提出するなど、申請の手続きが必要です。

そして、遺産の売却や農業をやめる場合など、猶予されていた税金を納付する必要が生じるため注意しましょう。

生前贈与と配偶者控除を活用する

生前贈与の配偶者控除は、配偶者に自宅用の土地や建物などを贈与した場合に、最大2,000万円まで非課税制度になります。

結婚生活が20年以上の配偶者に自宅用の土地や建物、現金を贈与する場合、最大2,000万円まで非課税となります。

加えて、年間110万円の基礎控除と併用可能です。

不動産の贈与に伴い登記費用や不動産取得税などの費用が発生しますが、財産を安心して引き継ぐ方法として利用できるため、相続税対策にもなります。

制度を利用するには贈与税の申告が必要となるため、戸籍謄本や不動産の評価資料など必要な書類を添えて税務署に申告しましょう。

土地の相続で抑えておくべき注意点・対策

土地の相続で抑えておくべき注意点・対策は、以下の3つです。

  • 分割相続によるトラブルを避ける方法
  • 相続税の申告期限と支払い期限
  • 専門家へ相談する

それぞれ解説します。

分割相続によるトラブルを避ける方法

分割相続によるトラブルを避けるためには、以下の事前の準備と対策がおすすめです。

  • 遺産分割協議書を作成する
  • 遺言書を準備する
  • 税理士や弁護士など専門家に相談する

相続人全員の同意を得ることで、公正な遺産分割が可能です。

また、相続税の手続きは複雑なため、税理士や弁護士など専門家に相談して臨むのが安心です。

法的に正しい手続きを進めることで、分割相続によるトラブルを回避しましょう。

相続税の申告期限と支払い期限

相続税の申告期限と支払い期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが生じるケースがあるため注意が必要です。

相続税の申告と納付期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内です。

もし納付資金が不足しており、以下条件を満たしている場合は「延納」や不動産、船舶などの「物納」を検討しましょう。

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 金銭での納付が困難であり、その納付を困難とする金額の範囲内である
  • 延納税額と利子税の額に相当する担保を提供する
  • 延納申請書を期限内に提出する

ただし、延納税額が100万円以下かつ、延納期間が3年以下の場合は担保を提供が不要です。

延滞期間は、相続財産にかかる不動産などの割合によって5年から20年まで認められているため、資金状況に応じた納付方法を選択できます。

ただし、相続財産が不動産や有価証券など現金以外の資産が中心の場合、現金化して納税をおこなうのが困難なケースもあります。

上記の場合は「延納」や「物納」を検討するなど、適切な納付対策を事前に講じるておくのが重要です。

専門家へ相談する

専門家への相談は、土地の相続の協議で適切なアドバイスを受けるための有効な対策方法となります。

相続に関わる主な専門家は、以下のとおりです。

  • 弁護士:相続に関する法的問題の対応・解決に強い
  • 税理士:相続税の計算や節税対策に詳しい
  • 司法書士: 不動産の名義変更や登記手続きが得意
  • 行政書士:遺言書作成や各種許可手続きに強い

相続が発生する事前対策から相続発生後の手続きまで、相談するタイミングは異なります。

早めの相談がトラブル防止につながるため、複雑な家族関係がある場合や高額な不動産を相続する場合は、事前準備が重要です。

相談する際は、相続財産の内容や相続人の状況など、可能な範囲で詳しい情報を準備しておくと、より具体的なアドバイスを受けられます。

まとめ

親の土地の相続は、相続人数や土地の種類、地域など状況に応じて計算が必要となり、複雑になるため早めに専門家へ相談するのがおすすめです。

相続税の計算には「路線価方式」と「倍率方式」があり、親の土地の相続税額は、相続財産の評価額と基礎控除額によって異なります。

一方で、適切な計算方法や節税対策を講じられると、相続の際に各種控除・特例制度を活用して税負担の軽減も可能です。

とくに、複数の相続人がいる場合や高額な土地を相続する方は、本記事を参考に早めの対策を講じてみてください。

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監修者:田本啓

監修者
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代表社員税理士
田本 啓(たもと あきら)

大学卒業後サービサー(債権回収管理総合事務所)にて債権・不動産を中心としたコンサルティング・登記関連サービス
都内会計事務所にて法人様、個人事業主様、経営者様の決算及び申告(節税対策・税務調査対応・独立開業支援業務を含む)並びに相続税・贈与税申告業務を経験。

クライアント様がより経営に集中できる環境を一番に考え会計・税務の枠を超えた総合的なご提案とキャッシュリッチになるための資金繰り分析・実行コンサル支援の他、セミナー運営や節税商品の企画など幅広いサービスを展開しています。

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