お知らせ・相続ブログ
- ホーム
- お知らせ・相続ブログ
- 車は相続税の対象?相続税の計算方法や手続き方法、必要書類まで解説
車は相続税の対象?相続税の計算方法や手続き方法、必要書類まで解説
投稿: 更新:ブログ
「車は相続税の対象?」
「相続税の計算方法や手続き方法は?」
「相続税を抑えるための対策や方法を知りたい」
上記の疑問を感じている方は、車が相続税に含まれるかわからず、もし相続税に含まれた場合どのくらいかかるのか不安があるのではないでしょうか。
相続税に関して、子どもに負担をかけず、スムーズに相続手続きを終わらせたい方もいるでしょう。
しかし、老後に自分たちが整理しておくべきことを事前に把握できると、家族の負担を減らせます。
本記事では「車は相続税の対象?相続税の計算方法や手続き方法、必要書類」を紹介します。
車の相続の注意点や対策、車以外の財産も含めた相続税の対策方法まで解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
車は相続税の対象になる?
車は、相続税の対象です。
もし車の所有者が亡くなった場合、相続財産として車の価値を評価し、相続財産の一部として課税されます。
評価額は、車の状態や年式、走行距離など車の市場価値によって決まりますが、相続税の計算には特定のルールが存在するため注意が必要です。
車も、不動産や預貯金と同じく、相続財産として慎重に取り扱いましょう。
車の相続税の評価方法4つ
車の相続税の評価方法は、以下の4つです。
- 業者買取価格相場
- 売却代金
- 査定額
- 減価償却費
それぞれ紹介します。
1.業者買取価格相場
車の相続税の評価を、業者買取価格相場をもとに算出するケースがあります。
業者買取価格相場とは、中古車販売業者が車を買い取る際の価格の目安です。
評価方法は、実際の市場価値に基づいており、年式や走行距離、車種や状態などが価格に影響します。
買取業者に査定を依頼すると具体的な相場を把握できるため、相続時の評価額を正確に計算可能です。
2.売却代金
車の相続税の評価をするうえで、売却代金に基づいた評価方法があります。
車を売却した場合、売却代金が相続財産の評価額として使用されます。
売却時の実際の価格は市場での車の価値を正確に反映しており、相続税の計算においても信頼できる評価基準です。
相続手続きの際、車を売却し現金化すると、相続税の支払いが円滑に可能です。
とくに、古い車や価値が減少した車の場合、現金化が有効な対策となります。
3.査定額
相続税の評価額を決める際に、車の査定額を指標とした評価方法があります。
査定額とは、専門業者が車の市場価値をもとに決める価格です。
査定は、車の年式や走行距離、外観の状態など、さまざまな要因を考慮して決定されます。
相続税の計算に査定額が使用されるため、相続財産として適切に評価するためには、信頼できる専門業者に査定を依頼するのが重要です。
4.減価償却費
車の価値を計算し、相続税を評価するために、減価償却費に基づいた評価方法があります。
減価償却費とは、車の使用や経年により価値が徐々に下がるため、下落分を計算する方法です。
車は長期間使用されることが前提のため、年数ごとに価値が減少します。
そのため、相続時は新車の購入価格から減価償却を考慮した金額が、相続税の対象となる評価額です。
年式や走行距離が古い車ほど、評価額が低くなるケースがあります。
車の相続税の計算方法
車の相続税の計算方法は「新車」と「中古車」によって異なるため、それぞれ紹介します。
新車の場合
新車の相続税評価額は、車の購入価格をもとに計算します。
- 新車の相続税評価額 = 車の購入価格 – 減価償却費
- 減価償却費 = (車の購入価格 × 償却率 × 経過年数)
また、普通自動車と軽自動車の耐用年数と償却率は、以下のとおりです。
- 普通自動車の場合:法令耐用年数6年、償却率0.333
- 軽自動車の場合:法令耐用年数4年、償却率: 0.500
たとえば、500万円で購入した新車の普通自動車を6カ月使用後に相続した場合は、以下をもとに計算をおこないます。
- 車の購入価格:5,000,000円
- 定率法償却率:0.333
- 経過年数:1年(6カ月は1年とカウント)
減価償却費と相続税評価額の計算方法は、以下のとおりです。
- 減価償却費:車の購入価格5,000,000円 × 償却率0.333 × 経過年数1年 = 1,665,000円
- 相続税評価額:5,000,000円 – 1,665,000円 = 3,335,000円
上記より、新車の相続税評価額は「3,335,000円」となります。
中古車の場合
中古車の相続税評価額も、新車と同様の方法で計算します。
- 中古車の相続税評価額 = 車の購入価格 – 減価償却費
- 減価償却費 = (車の購入価格 × 償却率 × 経過年数)
別途、耐用年数の短縮計算が可能です。
- 耐用年数を経過している場合:法定耐用年数 × 20%
- 耐用年数を一部経過している場合:法定耐用年数 – 購入時の経過年数 + 経過年数 × 20%
たとえば、400万円で購入した4年使用の中古普通自動車を1年使用後に相続した場合は、以下をもとに計算をおこないます。
- 車の購入価格:4,000,000円
- 償還率:0.333
- 経過年数:5年(4年 + 1年)
まず中古資産の簡便法による見積耐用年数は、以下のとおりです。
- 法定耐用年数から経過年数を差し引いた年数:普通自動車の法定耐用年数6年 – 経過年数(4年 + 1年) = 1年
- 経過年数5年の20%に相当する年数:経過年数5年 × 20% = 1年
- 見積耐用年数:1年 + 1年 = 2年
減価償却費と相続税評価額の計算方法は、以下のとおりです。
- 減価償却費の計算:4,000,000円 × 0.333 × 2 = 2,664,000円
- 相続税評価額の計算:4,000,000円 – 2,664,000円 = 1,336,000円
ただし、実務上は定率法による評価よりも、中古車市場における業者の買取価格相場や査定額を与える方が一般的です。
とくに問題がなければ、中古車買取店で査定した価格を相続税評価額とするのがおすすめです。
車の相続手続き方法
車の相続手続き方法は、以下のとおりです。
- 車の名義変更手続きの流れ
- 相続手続きに必要な書類
それぞれ紹介します。
車の名義変更手続きの流れ
車の名義変更は、相続後に必ずおこなう手続きです。
手続きは、相続する車の車検証情報をもとに、名義が相続人へ変更されます。
その際、手数料を支払い、新しい名義での車検証が発行されます。
手続き後、相続人は新たな所有者として正式に車の所有権の取得が可能です。
相続手続きに必要な書類
車の相続手続きに必要な書類は、相続の状況によって異なります。
一般的には、以下の書類が必要です。
- 被相続人(故人)の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
- 相続人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
- 相続人の印鑑証明書(発行から3カ月以内のもの)
- 自動車検査証(車検証)
- 車庫証明書(発行から40日以内のもの、当面相続を受けている人と共存していた相続人が車庫を引き続き利用する場合は不要)
- 相続人の名印または委任状(本人が窓口に出る場合は実印、代理人が出てくる場合は委任状)
また、条件に応じて必要な書類は以下のとおりです。
- 複数の相続人がいる場合:遺産分割協議書、相続人全員の証明書印鑑
- 車の価格が100万円以下の場合:遺産分割協議成立申立書(遺産分割協議書代わりに使用可能)
- 自動車の価格額が100万円以下を証明する書類
- 共同相続の場合:共同相続する人全員の印鑑証明書
ただし、地域や特定の状況によって異なる場合もあるため、注意が必要です。
車の相続の注意点・対策
車の相続の注意点と対策を、以下に4つ紹介します。
- 車の所有者を確認する
- 相続人の人数を確認する
- 時価が100万円以下かどうか確認する
- 自動車保険の契約変更をおこなう
それぞれ解説します。
車の所有者を確認する
車を相続する際は、故人が所有していた車の名義の確認が必要です。
車の所有者の名義は自動車検査証に記載されており、正式な所有者を確認できます。
正確な情報をもとに手続きを進めると、後々のトラブルを避けられます。
また、名義変更をおこなうためには、相続人がどのように車を受け継ぐのかを明確にするのが大切です。
スムーズな相続手続きをするため、所有者の確認を怠らずにおこないましょう。
相続人の人数を確認する
相続人の人数確認は、車の相続手続きにおいて必要不可欠です。
遺言書が存在する場合、内容に従った相続がおこなわれます。
一方で、遺言書がない場合は、法定相続分に基づいて相続をおこないます。
相続人の人数によって、相続財産の分配や手続き方法が変わるため、まず法定相続人を特定し、遺言書の有無を確認しましょう。
時価が100万円以下かどうか確認する
車の時価が100万円以下の場合、「遺産分割協議書」が不要です。
一方で、100万円以下の場合は「遺産分割協議成立申立書」で手続きが可能になります。
そのため、まず車の査定をおこない、現在の市場価値の把握が必要です。
車の専門業者やオンラインでの査定を依頼し、車の時価を正確に確認しましょう。
自動車保険の契約変更をおこなう
車の相続手続きにおいて、自動車保険の契約変更を忘れずにおこないましょう。
もし相続が発生した場合、保険契約の名義を故人から相続人に変更する必要があります。
そのため、保険会社に連絡し、必要な書類や手続きを確認するのが大切です。
必要な書類には、相続人の確認書類や故人の死亡証明書が含まれます。
また、契約変更が完了後は保険の内容を再確認し、必要に応じて条件の見直しも併せておこなうのがおすすめです。
車以外の財産も含めた相続税の対策方法とは?
車以外の財産も含めた相続税の対策をするには、まず相続財産の把握が必要不可欠です。
不動産や預貯金、株式やその他の資産などを正確に評価し、相続税の対象となる総額を確認します。
その後、相続税の控除や特例を利用するのが大切です。
たとえば、小規模宅地の特例を活用すると、自宅の相続税を軽減できるケースがあります。
また、生前贈与を活用すると、相続税の負担軽減が可能です。
【まとめ】相続税は対策を立てて賢く軽減しよう
車はほかの財産と同様に、相続税の計算対象に含まれます。
相続時の評価額や手続き方法は、車の種類や状態によって異なるため、正確に評価し正しい書類を用意するのが大切です。
新車の場合は購入価格に基づいて減価償却を計算し、中古車は市場価格を参考に評価されます。
また、相続手続きには、車検証や名義変更に必要な書類などの準備が重要です。
とくに車を含む相続を予定している方は、本記事を参考にし、お気軽にご相談ください。
監修者
税理士法人翔和会計
代表社員税理士
田本 啓(たもと あきら)
大学卒業後サービサー(債権回収管理総合事務所)にて債権・不動産を中心としたコンサルティング・登記関連サービス
都内会計事務所にて法人様、個人事業主様、経営者様の決算及び申告(節税対策・税務調査対応・独立開業支援業務を含む)並びに相続税・贈与税申告業務を経験。
クライアント様がより経営に集中できる環境を一番に考え会計・税務の枠を超えた総合的なご提案とキャッシュリッチになるための資金繰り分析・実行コンサル支援の他、セミナー運営や節税商品の企画など幅広いサービスを展開しています。