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株式の相続税はいくら?評価方法や節税対策を解説

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株式を相続した場合、その評価方法や計算方法、さらには相続税対策まで、考慮すべき点が多岐にわたります。株の評価方法は種類によっても異なり、少々複雑です。

この記事では、株式の相続に関する重要なポイントを詳しく解説していきます。

株式の評価方法

株式の相続税評価は、上場株式と非上場株式で大きく異なります。それぞれの評価方法を正しく理解することは、適切な相続税申告を行う上で非常に重要です。ここでは、上場株式と非上場株式の評価方法について詳しく見ていきましょう。

上場株式の場合

上場株式の評価方法は比較的シンプルです。原則として、相続開始時点の株価を基準に評価されます。具体的には、次の3つのうち、最も低い価格が採用されます。

  • 相続開始日の終値
  • 相続開始月の終値平均
  • 相続開始月の前月の終値平均

この方法が採用されているのは、株価の変動による影響を緩和し、相続人にとって有利な評価額を選択できるようにするためです。

例えば、相続開始日が7月15日の場合、6月の終値平均、7月の終値平均、7月15日の終値の中から最も低い価格が評価額として使用されることになります。

注意が必要なのは、相続開始後に株価が大きく下落した場合です。このような場合、相続税の申告期限までに株式を売却すると、みなし譲渡損失の特例を適用できる可能性があります。これにより、相続税の負担を軽減できる場合があるので、専門家に相談することをおすすめします。

非上場株式の場合

非上場株式の評価は、上場株式と比べてより複雑です。主に「原則的評価方式」と「配当還元方式」の2つの方法があり、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。

原則的評価方式

原則的評価方式は、会社の規模や業種によって「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」、またはこれらを組み合わせた方式が適用されます。

類似業種比準方式は、評価対象の会社と類似する上場会社の株価を基に評価額を算出します。具体的には、1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額(帳簿価額)を類似業種の平均値と比較し、それに基づいて評価額を決定します。

一方、純資産価額方式は、会社の資産から負債を差し引いた純資産額を基に株式を評価します。この方式は、会社の実質的な価値を反映するため、資産評価の厳密さが求められます。

これらの方式の選択や組み合わせは、会社の規模や業種によって異なるため、税理士のアドバイスを受けなければ正確な把握は困難です。

配当還元方式

配当還元方式は、過去2年間の配当金実績を基に非上場株式の評価額を算定する手法です。この方法は、一般的に採用される「原則的評価方式」とは異なり、限定的な場合にのみ適用されます。具体的には、相続される株式数が少なく、会社運営への影響が軽微な場合に使用されます。

評価額の算出方法には複数のバリエーションがありますが、最も一般的な「国税庁配当還元法」では、以下の計算式が用いられます。

評価額 =(過去2年間の1株あたりの年間配当の平均額 × 10%)×(1株あたりの資本金額 ÷ 50円)

 

株式の相続税計算方法

株式の相続税計算は、単に株式の評価額を決めるだけでなく、他の相続財産と合わせて総合的に行う必要があります。ここでは、株式の相続税計算の手順を詳しく解説していきます。

株式の評価額を算出

まず、前述の評価方法に基づいて、相続した株式の評価額を算出します。上場株式の場合は相続開始時の株価を基準に、非上場株式の場合は原則的評価方式や配当還元方式を用いて評価額を決定します。

例えば、上場株式1000株を相続し、評価額が1株あたり5,000円だった場合、株式の評価額は500万円(5,000円 × 1,000株)となります。

 その他の財産と合算し課税遺産総額を算出

次に、株式の評価額をその他の相続財産(不動産、預貯金、有価証券など)と合算し、債務や葬式費用を差し引いて課税遺産総額を算出します。

例えば、

  • 株式評価額:500万円
  • 不動産評価額:5,000万円
  • 預貯金:1,000万円
  • 債務:-500万円
  • 葬式費用:-100万円

この場合、課税遺産総額は5,900万円(500万円+ 5,000万円 + 1,000万円 – 500万円 – 100万円)となります。

速算表で相続税額を算出

最後に、算出された課税遺産総額から基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数)を差し引き、相続税の速算表を用いて相続税額を計算します。

具体的な計算例を見てみましょう。法定相続人が配偶者と子供2人の場合を想定します。

 

【基礎控除額の計算】

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

 

【課税遺産総額から基礎控除額を引く】

5,900万円 – 4,800万円 = 1,100万円

 

速算表を用いて相続税額を計算】

(計算の簡略化のため、相続税の総額のみを示します)

1,100万円 × 15% – 50万円 = 115万円

 

この例では、相続税の総額は115万円となります。ただし、実際の納付税額は各相続人の法定相続分や実際の相続割合によって異なるため、より複雑な計算が必要になることがあります。

株式の相続税対策

株式の相続税対策は、相続税の負担を軽減し、円滑な事業承継を実現するために非常に重要です。ここでは、効果的な相続税対策の方法について詳しく解説していきます。

生前贈与をする

生前贈与は、相続税対策の中でも特に有効な方法の一つです。毎年110万円までの贈与であれば、贈与税は非課税となります。この制度を活用し、生前贈与で早いうちに名義変更しておけば、その後の配当金は相続人のものになるため、将来の相続税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

自社株の評価額を下げる

非上場会社のオーナーにとって、自社株の評価額を下げることは効果的な相続税対策となります。評価額を下げる方法としては、配当金の支給によるコントロール、役員報酬の増額、含み損のある不動産の処分、発行済株式数の増加(純資産価額方式適用時)などがあります。しかし、これらの手法は適度に実施することが重要です。過度な実施は、損金算入が認められないなどの理由で、期待した節税効果が得られない可能性があります。そのため、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に計画を立てることが不可欠です。

相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度は、60歳以上の親から18歳以上の子(または孫など)への贈与に適用できる制度です。この制度を利用すると、2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となり、2,500万円を超える部分についても一律20%の税率で贈与税を納付することができます。

さらに、この制度を利用して贈与した財産は、将来の相続時に相続財産に加算されますが、既に納付した贈与税は相続税から控除されます。つまり、将来の株価上昇を見越して早めに株式を贈与することで、相続税の負担を軽減できる可能性があるのです。

ただし、この制度を選択すると撤回することはできないため、将来の資産状況や税制の変更なども考慮しながら、慎重に判断する必要があります。

特例を利用する

株式の相続に関しては、いくつかの有利な特例が存在します。これらの特例を適切に活用することで、相続税の負担を大幅に軽減できる可能性があります。

非上場株式の納税猶予および免除の特例

この特例は、中小企業の事業承継を支援するために設けられたものです。一定の要件を満たす場合、非上場株式に係る相続税の納税が猶予され、さらに後継者が事業を継続することで、最終的に納税が免除される可能性があります。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

この特例は、相続した株式を売却する際に適用できます。通常、株式を売却した場合の譲渡所得は、売却価格から取得費を差し引いて計算されますが、この特例を使うと、相続時の評価額を取得費とすることができます。

例えば、被相続人が長期間保有していた株式で、取得価額が非常に低い場合でも、相続時の高い評価額を取得費として使用できるため、譲渡所得を低く抑えることができます。これにより、相続後に株式を売却する際の税負担を軽減することができます。

みなし配当課税の特例

相続で取得した非上場株式を、相続発生から3年10ヶ月以内に発行会社へ譲渡する際の所得税を軽減できる特例です。通常、非上場株式の売却による譲渡益は「みなし配当」として扱われ、最大55%の所得税・住民税が課されます。しかし、この特例を適用することで、最高税率を20%まで抑えることが可能となり、相続人の税負担を大幅に軽減できます。

まとめ

相続発生時には、全財産の調査と評価額の把握が不可欠です。しかし、現金や預貯金以外の資産、特に非上場株式の評価は専門知識を要します。ご自身でで評価を試みても、その正確性を保証することは難しく、誤った評価は相続税申告に重大な影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、過少申告によるペナルティーを受けることになるでしょう。

したがって、株式相続の予定がある方や相続直後の方は、一度弊社までご相談ください。弊社ののサポートを受けることで、適切な生前対策を行った上で適切な評価と正確な申告が可能となりますので、円満な財産承継が可能になると思います。

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監修者:田本啓

監修者
税理士法人翔和会計
代表社員税理士
田本 啓(たもと あきら)

大学卒業後サービサー(債権回収管理総合事務所)にて債権・不動産を中心としたコンサルティング・登記関連サービス
都内会計事務所にて法人様、個人事業主様、経営者様の決算及び申告(節税対策・税務調査対応・独立開業支援業務を含む)並びに相続税・贈与税申告業務を経験。

クライアント様がより経営に集中できる環境を一番に考え会計・税務の枠を超えた総合的なご提案とキャッシュリッチになるための資金繰り分析・実行コンサル支援の他、セミナー運営や節税商品の企画など幅広いサービスを展開しています。

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