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相続財産が土地(不動産)しかない場合の財産の分割方法をお教え下さい

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増えた相続争い

2014年に全国の家庭裁判所が扱った遺産分割事件は1万5千件余りで、過去10年で3割弱増加したそうです。そして、争っている方の7割は遺産が5000万円以下であり、更に不動産が含まれるものが約5割です。
2015年より相続税法が改正され、これまで相続税とは縁のなかった人たちまで相続税の心配をしなければならなくなりました。

遺産が土地(不動産)しかない場合

比較的容易に分割できる現預金以外に、被相続人が土地や建物を持っていたという事例で考えてみましょう。この分け方を理解しておくと、現預金・有価証券といった流動性の高い資産への対応がやりやすいでしょう。
この場合、相続人同士で解決できるのは、以下の4つです。

1. 現物分割

個々の遺産をあるがままの状態で分け合う、最もシンプルな分割方法です。
例)土地は長男に、預金は次男に。
メリット  シンプルそのもの。
デメリット 相続する内容次第で不公平が生じる可能性もあります。

2. 換価分割

不動産などを売却することで現金化し、分割しやすい財産に換えることで分割をする方法。
メリット  公平に分配しやすい。
デメリット 土地を手放さなければならない。また、売却による譲渡税・処分費用が発生する。

3. 代償分割

代償金の支払いを行う分割方法
例)5000万円の土地を二人の相続人が分け合うために、どちらかの相続人が土地をすべて相続し、もう一人の相続人に2500万円の支払い(代償)をする。

メリット  土地を手放さなくてよい。
デメリット 代償金を支払う相続人は現金を用意しなければならない。

(注)1 代償分割をする場合には、遺産分割協議書にその旨を記載しておかなければならない。
   2 代償分割した場合の相続税(課税価格)の計算方法
    ● 代償財産を支払った相続人の課税価格
    ➡相続により取得した財産―代償財産
    ● 代償財産を受け取った相続人の課税価格
    ➡相続により取得した財産+代償財産

4. 共有分割

個々の遺産を、複数の相続人で共有するという形で相続する分割方法。

メリット  土地を手放さなくてよい。
デメリット 土地の管理を巡って、後でトラブルになることが往々にしてあります。また、その土地を売却・賃貸する場合には、相続人全員の同意が必要になります。現在の相続人は、共有になった事情を理解していますから問題が起きることはほとんどないでしょう。しかし、子、孫の代になると・・・という懸念が出てきます。

相続と登記の関係

相続登記とは、亡くなった人が所有していた建物や土地など不動産について、残された家族で話し合って名義を変更する手続きのことをいいます。もし、相続登記をしないで放置しておくと、以下のような問題が生じます。

  • 不動産の所有者として不動産を売却したり、賃貸等ができない。
  • 長期間放置しておくと相続人が増えてしまって相続登記が困難になってしまう。
「小規模宅地の特例」活用

土地を相続したはいいが、多額の相続税を納めることになってしまった。その悩みを軽減してくれるのが「小規模宅地の特例」です。この特例は、4つあります。この「小規模宅地の特例」は、被相続人の不動産に対して、一定の要件のもと相続税の課税価格を減額することが出来ます。

① 特定事業用宅地等
② 特定居住用宅地等
③ 特定同族会社事業用宅地等
④ 貸付事業用宅地

相続が発生した後は速やかに「相続登記」をおこなうことをおすすめします。

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